ソーリーベイベー

一非常勤講師の覚え書きです。天津飯をこよなく愛しています。毎週月曜日18時更新です。その他のタイミングでも時々更新します。

『別れ』

「皆もうとっくに行ってしまった。君は行かないのかい?」
彼は聞いた。
「僕はいい。僕はずっとここにいることにするよ」
僕は答えた。
「どうして? 君ならきっと先に行ってしまった誰よりうまくやれるのに」
「それは誤解だ。僕はその誰より下らないことを知っている。だから君にはそう映るだけのことさ。万事は皆その調子だ」
彼は怒るでもなく、あざけるでもなく、ただただ寂しそうな顔をした。
「そうかい。じゃあ僕はそろそろ行くことにするよ。皆に遅れてしまっては申し訳がないからね。次はいつ会えるだろうか?」
「いつでも。君の会いたくなった時に。僕は君をここで待つよ。僕に会いたいなんて酔狂なのは君ぐらいのものだから」
「そうか。それなら安心して僕はもう行こう。友よ、また会おう」
彼は僕を抱擁して、振り向くことなく去って行った。

行くな! そう声をかければよかったのか。しかしそれはどのようにしても彼の心中には届くまい。

きっと死ぬまで彼と会うことはないだろうと思った。
彼はもはや、僕を見つけることはできないのだから。

新美南吉童話賞(自由創作部門)に応募した

今年はこれで賞への応募は3つか4つになるかな。1つは発表がまだだけど、長編も短編もことごとくダメだったなあ。愚にもつかぬ作品ばかり僕は作っている。

今回は話の作り方変えたら、なんか立て板に水流すみたいにスーッと出来てしまったんだがこんなことでいいのか。よくわからない。もっと苦しむことが必要な気もする。だけど苦しんだ挙げ句話が迷走して独りよがりな作品が出来るんだったら、システマチックでも客観性を保てる方がいい。宮崎駿も「感情で映画作っちゃいけない」て宮崎吾朗のゲド戦記観て言ってた。
まあ僕の場合どのみち愚にもつかぬ、か。

この新美南吉童話賞で一応今年は区切りにして、また来年用の新しい話を書き始めよう。だけど今はそれもお休みにして愚にもつかぬマンガが描きたい。

無印良品の机とデスクライト(TaoTronics LED)を買った

多分ここ4、5年ぐらいちゃんとイスに座って作業するタイプのいわゆる学習机を使っていない。もともと住んでた大阪の家には幼い頃親から買ってもらった立派な天板の学習机があったのだが、京都へ引っ越す際、どうあがいても家の中に置けるスペースが無かったため、兄の家に寄贈したのだ。
それからは家の中で文章を書くときにはもっぱらコタツ机を使うようになった。家の中で書くのに疲れた時は図書館へ行ったり、イキッてスターバックスで書いたりしていた。スターバックスにさえいけば僕もイケてる物書きの一員になれるのだと思っていたが、周りの本当にイケてる人々がmacで作業する中、原稿用紙にペンで必死に書きつけていた僕は随分浮いていただろうなと今になって思う。波に乗り切れてない感がすごい。スターバックサーへの道のりはあまりにも遠い。

結婚して嫁さんの家に転がり込んでからは嫁さんのコタツ机を使わせてもらっていた。さらに二人で引っ越してからはコタツ机かリビングのテーブルを使うようになったが、このブログを書くようになってどうにも机の上での作業量が増えた。ずっとあぐらをかいて作業していると腰が痛くなる。かといって近くのスターバックスはいつも爆込みで行く気がしない。絵や漫画も描くようになったので、それら道具を外に持って出るわけにもいかず、しかも消しカスを大量に出すので、いくらきれいにするとは言え、ご飯を食べる机での作業はあまり気分のいいものではなかった。コピックを使う際下敷きをしくのを忘れて机を汚したこともある。
それらのことがあって作業机を欲するようになった。

あまりゴツくない、できるだけ簡素で安い机がいいなあと思って、それでも自分で積極的に探しはせず日々を過ごしていたのだが、夏前に嫁さんと無印良品に行った際引き出しの二個ついたすごくシンプルな机を見かけた。試しに座ってみるとひざも引き出しに当たらず、広さもちょうどよくて(幅110cm、奥行き55cm、高さ70cm)これでいいじゃん、となった。その後一応IKEAにもいいものがないか確認にいったが僕の目を引くような机は見当たらず、無印のその机を購入することに決めた。価格は25000円ぐらいだった。ついでにイスも無印で買った。
組み立ては自分で行った。使用工具は六角レンチのみ。それも机と一緒についてきた。イス、机含め組み立てには1時間もかからなかったと思う。
組み立てて部屋に設置した感じがこちら。
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昼下がり。風に揺られるカーテン。インク、スタンド、無印の机。
ただの半分ニートの部屋なのに仕事できる感ヤバくないか。羽ぼうきと三脚の醸し出すプロ感は異常。
使ってみて想像通りだったというか、思っていたよりも広く感じる。5年前まで使っていた机も天板自体は小さくなかったと思うのだが何故なんだろうか。もしかすると前の机は脚元右側にもとからキャビネットが一体型として据え付けられていたため、イスで自由に動ける範囲が少なく、そのためせまく感じていたのかもしれない。

電気スタンドも嫁さんの使っているものがあればそれを勝手に使わせてもらおうと画策していたのだが、嫁さんは電気スタンドを持っていなかったためしぶしぶ買うことにした。買ったのはあのヒカキン様も動画内で絶賛したという伝説のライトTaoTronics LED。
光の強さをタッチパネルで10段階ぐらいに調節することができて光の色も5種類変えられ、さらに後ろにはUSBポートまでついているという何でもござれの一品。このライト、電源落とした時に使用していた強さと色を記憶して、次電源入れたときに勝手にその色と強さに戻すという往年のRPG(ファイナルファンタジー5)みたいなシステムを搭載しているので、僕は光の強さも色もほぼ一種しか使わない。だからそこまで絶賛するようなものなのかどうかいまひとつ分からないが、後ろにUSBポートがついてるのと角度をかなり自由に変えられるのはとても良いと思う。


今は夏の出稼ぎから帰って、机の様子はまた少し変わった。

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おや、机の様子が……。
うむ、お分かり頂けたであろうか。すなわち画板が追加されたわけである。
これは以前から気付いてたことなのだが、机の上にそのまま紙をのせて絵を描くと、スキャンした際に自分のイメージしてたものと違う絵になっていることがある。まあいっか、とこれまであまり気にしてなかったのだが、夏の期間に漫画家さんの作業場を見る機会があって、その時漫画家さんが斜めになった机で作業していることを発見した。それで「あぁそうか、目の角度と机の角度が平行でないから絵がゆがむのだ」と気付いた。早速画材屋さんで木製の画板を買って、机に据え付けた。据え付けたといっても下に本を置いただけであるが。
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画板の下にBookOffに行きそうな読まなくなった本を置く。僕の場合中公文庫の『日本の歴史』(2冊)がベストな高さ。
こうすると絵がゆがまないうんぬんの前に、前かがみにならなくていいので非常に楽に作業できる。
角度はそれほどきつくつけていないため、原稿や画板そのものが滑ることはほぼ無いが、ゴム製のマットを敷くか画板の一番下に滑り止めを付ければさらに快適に作業できるかもしれない。自分の机を色々カスタマイズするのは楽しい。

今は何よりガッシガシに机を使い込んで、絵も文章もガッシガシに書いて、さらに机のプロ感を高めていきたいと考えている。
プロ感が高まり過ぎて「いやもうこれプロやん!」てなったらまた机の様子を紹介しようと思う。