ソーリーベイベー

一非常勤講師の覚え書きです。天津飯をこよなく愛しています。毎週月曜日21時更新です。その他のタイミングでも時々更新します。

出稼ぎ近況報告(長野県にて)

長野にて。ジャングルジムのようなテラスのような訳わかんないものを作った。材料は竹とひものみ。子どもたちにもたくさん手伝ってもらった。

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竹50本とひも(漁業用のハイクレロープ)5巻きで作った。当初唐松を利用したただの竹ジャングルジムの予定だったがいつの間にかこうなった。もっと竹が欲しかった。グルグルと竹を伝って上まで登っていくと、てっぺんはテラスになっている。
高いところに何か作る場合材としては竹が軽く、なおかつまっすぐで最も扱いやすい。そして今竹は日本全国で余りたおしている。いやむしろ、竹が山を食わんとしているところもある。かつて人と共にあった竹は、今は人に必要とされなくなった。コンピューターという新しい女が人間には出来て、竹は袖にされちまったわけだ。それで各地の山を荒らし回っている。
昔の人からするとタケノコは食えるし、タケノコの皮も使えるし、竹自体中が空洞なのでコップから皿から箸から簡単に色々作れるし、1年で伸びきるし、切ってから5年ぐらい腐らないし、エジソンは白熱電球のフィラメントに竹選んだし、竹は現代のコンピューター以上の、何にでも使えるスーパー植物だったのだと思う。僕は竹のメタリックな肌を見る度、こいつぁ本当に植物か?と思うし、僕の父は「竹コンピューター説」などという意味不明な説を唱えている。


材のひもはかつては麻を使っていたが竹にはツルツル滑って相性が悪く、しかもすぐ腐っちゃうので最近はもっぱら漁業用のロープを使っている。
ひもの縛りは角縛りという縛り方さえ覚えておけばジャングルジムでもツリーハウスでもいかだでも何でも出来る。不思議なもので縛り方を覚えるスピードは人によって全く違う。一発で原理を理解し覚えてしまう4歳もいれば、10回やっても覚えられない20歳もいる。直感的センスのようなものがあるんだろうか。しかし、10回やって覚えられない20歳も30回やれば大体覚える。僕もそうして覚えた。一番良くないのは分かったふりをすることだ。それではいつまで経っても分からない。「無知はけっして悪を生みださなかったこと、誤謬だけが有害であること、そして人はなにか知らないためにではなく、知ってると思っているために誤ること」とはルソーの言葉。

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角縛り。竹でフロアを作る場合はいちいちとめずに、ヒモをつなげて図のように連続してやっていく。

なんか妙ちくりんなのになっちゃったな、とこいつを作りながら思ってたが、出来上がってみると(あるいは出来上がる前から)子どもたちにはやんややんやの大盛況で、10人、20人とどんどん登ってくるのですごく作業し辛かった。「まだ登るな」とどれだけ言っても登ってくる。子どもはNintendoSwitchも好きだけど、ていうか僕もそれは好きだけど、高いところも大好きだ。それは子どもが火を愛するのと同じで、本能的なものなのかもしれない。登ってきた子には縛りを手伝ってもらった。

あとはキャンプに参加した400人全員で、この前記事に書いた綱引き方式で火起こしをした。
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すなわち200、200に分かれて綱を引き合い火を起こす。絶対失敗できなかったのでプレッシャーが半端じゃなかった。1回目、いくらやっても火種ができなかった。火きり棒に樹液が含まれていたのか、発火点を迎えてるはずなのに木くずが火種にならない。まずい、この流れは失敗する流れだ。

ふふふ、しかしこんなこともあろうかと火きり棒と板は二つずつ用意していたのだよ。これまで何度も失敗してきたのだ。ナメてもらっては困る。火きり棒を変えて挑んだ2回目。400人のパワーは凄まじく、綱引きを始めて5秒ぐらいで火種が出来た。この時がキャンプ中で一番ホッとした。あとはシュロの皮さえあれば何とでもなる。

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シュロの木。割と庭木にもある木。モフモフの部分を使う。
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シュロの皮。プロメテウスの贈り物。
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火種が出来たら火口(シュロの皮)で包み真ん中のカゴでグルグル回して火を起こす。アフリカのピグミー族式。今回も無事に火を起こせた。

長野のキャンプが終わり、3日で作った竹のジャングルジムテラスを2時間で解体して今度はまた別の場所へ出稼ぎに行く。その途中これを書く。夏がすごいスピードで過ぎ去って行く。