ソーリーベイベー

一非常勤講師の覚え書きです。天津飯をこよなく愛しています。不定期更新です。

大阪市立東洋陶磁美術館へ竹工芸名品展を見に行く

2月28日、お互いに休日で特にやることのなかった僕と嫁さんは、大阪市立東洋陶磁美術館に行くことにした。去年の12月21日から今年の4月12日まで竹工芸名品展が催されていて、以前から見てみたいと思っていた。ちょうどよい機会だった。

前日はやっぱり結構飲んでいて、朝の6時だか7時だかに目がさめるとカップラーメンが未開封のままテーブルの上に置かれていた。何故だか分からんがやたら飲んだ日は最後にラーメンが食べたくなる。それでコンビニでカップラーメンを買って帰るわけだが、その思いが遂げられることは少ない。これまた何故だか家に帰るとラーメンを食べる前に寝てしまうのだ。体感で買ったカップラーメンを食べる確率は30%ほどだと思う。買っただけで満足してしまうのだろうか。
果たして次の日の朝には未開封のカップラーメンがポツンとテーブル上に残されることになる。

28日朝6時だか7時の僕のお腹はとても減っていたので朝一からいきなりカップラーメンを食べることにした。謎肉祭りは若干二日酔いの、ダメージを負った体には染みわたるようだった。

28日はくもり。嫁さんが起きてきてお昼をどうするかという話になった。大阪市立東洋陶磁美術館は中之島の中央公会堂の隣にある。以前日記で唯一食べログ風に紹介した「田中の中華そば」が遠からずの位置にあり、二人とももう一度あのラーメンを食べたいなあと思っていたので昼飯は即決された。

13時に本町駅に着き、田中の中華そばに向かうとやはり列ができていた。平日の昼過ぎなのに並んでいるのか。待っている人は7、8人ほどだった。
以前と同じように店の看板はなく、扉の前に張り紙がしてあるだけ。その日は諸事情で13時過ぎにオープンします、と張り紙が付け加えられていた。

寒空の中嫁さんと我慢して待つ。一見何屋か分からないため並んでいる僕達を見て、興味深そうに店に近づいて来る人も多い。中にはそのまま並ぶ人も。
30分ほどしてお店に入ることができた。
お店は変わらず店主と接客のお姉さん二人で回していたが、以前と違って食券制に変わっていた。レジをする余裕がないということだろうか。そしてレジが元あった場所には一席追加されていた。

僕も嫁さんも貝そばを注文する。嫁さんは煮卵入りのものを、僕は煮卵入り+チャーシューの追加されたものを大盛で頼み、さらに白ご飯を頼んだ。お腹が減っていたのだ。

店主のお兄さんは以前と変わらず一生懸命ていねいにラーメンを作る。後に嫁さんと話をしていて気付いたが、少し店主は眠そうだった。もしかして寝坊したのだろうか。
僕が以前ブログで食レポを書いた後、松本家の休日で田中の中華そばが取り上げられた。ダウンタウンのまっちゃんがスープを飲んで感動する姿に、初めてこの店を訪れてスープを口にしたときの自分を重ね合わせた。松本家の休日では1日24時間、ラーメンのために全てを捧げているかのような店主の生活が垣間見えた。確かにそういう味がする。
テレビで取り上げられたこともあってもしかしたらお客さんが激増し、ますます眠る時間が無くなってしまったのかもしれないな、と思った。

7席しかないこともあるが、もともと店内は静かで、友人と入ってきたであろうお客さんもそれほどしゃべっていない。僕たちも言葉少なであったが、ラーメンが到着してからは一切言葉を交わさなくなった。ラーメンがうますぎて食べることに必死になり、しゃべる余裕がなくなるのだ。店内が静かである一番の理由はラーメンがうますぎるためであると思われる。
普段あまりスープを飲まない嫁さんも田中の貝そばのスープだけはかなりの量を飲んでいた。美味しすぎたためだ。僕も8割方飲んだところで店を後にする。全部飲まないのは去年石垣島で謎のおじいにスープの飲みすぎを注意されたためだ。

それから徒歩で東洋陶磁美術館へ。

中に入るといきなり竜巻のような、あるいはどでかいウンコのような竹の造形物に出くわした。細く割った竹を編み込んで作っているのだ。
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2階の天井につながっている。
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細い竹を編み込んで作られている。

僕も仕事で竹のジャングルジムピラミッドや竹のブランコなど作ったりするがほとんどは竹を割らずに作るものばかりなので、こういう作り方もあるのかと大変感心した。同時にとても手間がかかりそうで、実際にはあまりやりたくないなとも思った。

一階の受付で入館料を払う。一般は1200円だが、僕も嫁さんもPiTaPaを持っていたので割引が効いて1000円だった。

展示は2階から。階段を上がるとすぐにアビー・コレクションの間。ここで出会った円形の竹の造形物が最終的に一番印象に残った。ちなみにこの竹工芸名品展は写真撮影OKである。

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モリッとしていて気になる形。
この作品の素材は虎竹と書かれていたが黒竹のことだろうか?とにかく存在感のある作品だった。

アビー・コレクションの間を出て先ほどの竜巻のをくぐり抜け、次々に作品を見ていく。竹工芸品は実用性のあるものも多く展示されていて、中には欲しいなあと思うものもあった。

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箱やカゴにいくつも可愛いのがあった。
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しかし、どれを見ても非常な緻密さで作られている。幾何的に全て計算されて作られているのだろうが、どうやって作られているのかが緻密すぎて全然分からない。
僕だったらきっと気が狂ってしまうであろう作業を、これらの名品を作り出した巨匠はきっと楽しんでやったのだろうと想像した。そうじゃないとこんなことはできない。
マジかよ…と思う作品が目白押し。
この東洋陶磁美術館は「陶磁」美術館なので、常設で陶磁器も展示されている。嫁さんは器を扱う仕事をしているのでそちらも大変楽しく拝見させていただいた。

しかし竹の工芸品も、陶磁器も良いなあと思う作品はあるのだが、一体その何がいいのだろうか?嫁さんと作品を見て回る中でそんな話になった。僕も嫁さんも割と良いと思うものは一致しているのだが、共通しているのはどこかそれらの作品は「いびつ」なのだ。完璧で美しく、整っている作品にはそれほど心動かされないのに、不完全で、それでいてパワフルで、いびつさを持っている作品には心をわしづかみにされてしまう。それらいびつな作品を表現するときに「かわいい」という言葉がピッタリである気がする。
そんな話をかわいい作品を見ながら嫁さんとした。
それは絵や詩や、あるいは植物や、そして人間にも言えることなのかもしれない。どこか欠点のあるもの、パーフェクトではないもの、あるいは欠点そのものに人は魅力を感じるのかもしれない。

結局美術館には2時間ほどいたであろうか。1200円でこれだけ楽しめる場所もなかなかないのではないかと思う。
帰りは北浜のMOTOコーヒーというシャレオツな喫茶店で川を眺めながらプリンとコーヒーをしばいて帰った。夕方の川べりはとても寒く、長くはいられなかった。